献血の知識 血液のゆくえ

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献血の血液が医療機関に届くまで

現在、東京都では1年間に約60万人(延べ人数)の方々から献血へのご協力をいただいています。みなさまのご協力には心より感謝いたします。

血液は栄養や酸素の運搬、免疫など人間の生命を維持するために欠くことのできない機能を多く含んでいます。現在、血液の機能を完全に代替できる手段は存在しないため、医療において輸血は欠かすことができない治療法となっています。みなさまの献血(成分・400mL・200mL)によって必要な血液を確保し続けなければ、現代医療は成り立たないのです。

 



検査 ー 血液センターにて全ての血液を検査

献血された血液は、血液センターに運ばれ、血液型検査や感染症予防のための抗原・抗体検査、献血後にお知らせする生化学検査などを行います。また、核酸増幅検査(NAT)を実施するため、NAT用検体はその日のうちに空路あるいは陸路を使い全国4ヶ所(東京都・北海道・京都府・福岡県)のNAT施設に運ばれます。

NAT施設では24時間365日体制で検体を受け入れ、血清学的検査に合格した血液についてNATを実施しています。

検査項目

■検体搬入

検体はお一人の献血につき、5本になります。
内訳は、血液型検査用・血球計数検査用・生化学/感染症検査用・NAT検査用・保管用(遡及調査のため)。それぞれに同じバーコードが貼られているので人を取り違えることはありません。

 
1.血液型検査
  • ABO血液型検査
  • Rh血液型検査
  • 不規則抗体検査
  • HLA検査(一部)
2.生化学/感染症検査
  • 梅毒血清学的検査
  • B型肝炎ウイルス検査 (HBs抗原・HBc抗体検査)
  • C型肝炎ウイルス検査 (HCV抗体検査)
  • エイズウイルス検査 (HIV-1、2抗体検査)
  • HTLV-1抗体検査
  • ヒトパルボウイルスB19抗原検査
 
3.血球計数検査
4.NAT(核酸増幅検査)
  • B型肝炎ウイルス検査
  • C型肝炎ウイルス検査
  • エイズウイルス検査
 
5.検体保管

11年保管 


生化学検査項目

検査項目 標準値(単位) 説明
ALT(GPT) 5~45(IU/L)(※1) 肝臓に最も多く含まれる酵素です。肝細胞が破壊されると血液中に流れ出すので、急性肝炎で最も多く上昇し、慢性肝炎や脂肪肝(肥満)などでも上昇します。激しい運動の後に一過性の上昇がみられることがあります。
γ-GTP 10~65(IU/L) 肝、胆道、膵、腎などに多く含まれる酵素です。上昇する疾患は閉塞性黄疸、肝炎、アルコール性肝障害などです。病気がなくても長期飲酒者では上昇することが多く、1カ月くらい禁酒するとある程度正常化します。
TP
総蛋白
6.5~8.2(g/dL) 血清中には80種類以上の蛋白が含まれ、種々の機能を持ち、生命維持に大きな役割を果たします。その総量を総蛋白として測定しています。
ALB
アルブミン
3.9~5.0(g/dL) 血清蛋白の50%以上を占めるアルブミンは、病気などで栄養が悪くなると減少するため、健康診断のスクリーニングとして大きな意味があります。
A/G
アルブミン対
グロブリン比
1.2~2.0 血清蛋白はアルブミン(A)とグロブリン(G)に分けられ、その比率は健康な人では一定の範囲にありますが、病気によってはその比率が変化(主として減少)してきます。
CHOL
コレステロール
110~250(mg/dL) 血清脂質の一つで、一般に脂肪の多い食事を続けていると上昇します。また肝臓などで作られ、肝、胆道、腎、甲状腺の病気でその値が上下することがあります。血清コレステロールが多くなると動脈硬化を起こしやすいとされています。
GA
グリコアルブミン
16.5%未満 糖尿病の検査の一つです。過去2週間の血糖値が低い状態が続いていると低下し、高い状態が続いていると上昇します。糖尿病では標準値より上昇します。標準値範囲内でも、15.6%以上の場合は注意が必要です。

(※1)IU:国際単位


血球計数検査項目

検査項目 標準値(単位) 説明
RBC
(赤血球数)
♂425万~570万(/μL)(※1)
♀375万~500万(/μL)
赤血球は血液の主な細胞成分で、酸素を肺から各組織に運ぶ働きを持っています。
Hb
(ヘモグロビン量)
♂13.3~17.4 (g/dL)
♀11.2~14.9 (g/dL)
血液の赤い色は赤血球に含まれるヘモグロビン(血色素)によるもので、赤血球の働きの中心となっています。
Ht
(ヘマトクリット量)
♂39.0~50.4 (%)
♀34.0~44.0(%)
ヘマトクリット値は、一定の血液量に対する赤血球の割合(容積)をパーセントで表したものです。
MCV
(平均赤血球容積)
80.0~100.0(fL)(※2) 赤血球1個の平均的容積、すなわち赤血球の大きさの指標となるもので、赤血球数とヘマトクリット値から算出したものです
MCH
(平均赤血球ヘモグロビン量)
26.0~34.0(pg)(※3) 赤血球1個に含まれるヘモグロビン量を平均的に表したもので、赤血球数とヘモグロビン量から算出したものです。
MCHC
(平均赤血球ヘモグロビン濃度)
32.0~36.0(%) 赤血球の一定容積に対するヘモグロビン量の比をパーセントで表したもので、ヘモグロビン量とヘマトクリット値から算出したものです。
WBC
(白血球数)
3500~10000(/μL) 白血球は細菌などを貧食し、免疫情報を伝達し、さらに免疫能を発現して生体防御にかかわっています。細菌感染症があると一般に白血球数は増加しますが、ウイルス感染症の場合はかえって減少することもあります。
PLT
(血小板数)
14万~38万(/μL) 血小板は出血を止めるための重要な働きを持ち、この値が極端に減少すると出血を起こしやすくなります。

(※1)μL=1L×10-6 (※2)fL=1L×10-15 (※3)pg=1g×10-12



製剤

現在の輸血医療は、必要な成分(赤血球、血漿、血小板)のみを輸血する成分輸血が主流になっています。ですから400mL・200mL献血による血液は、各成分の比重値の差を利用して赤血球、血漿、血小板に分離されます。成分献血の場合は、献血時に血漿、血小板を分けて採取することがほとんどで分離は行いません。分離された血液は、検査結果と照合し、すべて合格した血液のみが輸血用血液製剤となります。また、放射線照射輸血用血液製剤は、輸血後GVHDを予防するために放射線があてられます。


製剤の流れ


輸血用血液製剤の種類(一部抜粋)

赤血球 保存温度:2~6℃
有効期間:採血後21日間
出血および赤血球が不足する状態、またはその機能低下による酸素欠乏のある場合に使用されます。
血 漿 保存温度:-20℃以下
有効期間:採血後1年間
複数の血液凝固因子の欠乏による出血ないし出血傾向のある場合に使用されます。
血小板 保存温度:20~24℃
有効期間:採血後4日間
要振とう
血小板数の減少またはその機能低下による出血ないし出血傾向のある場合に使用されます。
全 血 保存温度:2~6℃
有効期間:採血後21日間
大量出血などすべての成分が不足する状態で、赤血球と血漿の同時補給を要する場合に使用されます。


保管・供給

輸血用血液製剤や血漿分画製剤は、冷蔵庫や冷凍庫等でそれぞれの製剤に最も適した条件で保管され、医療機関から発注が入り次第、迅速に供給されます。 都内には4箇所の供給施設(江東区・豊島区・渋谷区・立川市)を設け、医療機関からの血液要請に24時間対応しております。

※ホームページでは、東京都内における赤血球製剤の週間在庫予報の情報を発信し、献血のご協力をお願いしております。

血液製剤の保管庫

輸血用血液の要請

医療機関への搬送


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